生徒会長は今日も恋煩う







バタバタと部屋の中を駆け回る音。


忙しなく洗面所と部屋を行ったり来たり繰り返す俺に、ついに可愛さの欠片もない妹が俺の弁慶を容赦なく蹴りつけてきた。




「うるっさいんだよ休日の朝からバタバタバタバタと!私の睡眠の邪魔しないでよね!」




すごい剣幕で怒鳴りつけてきたかと思えばバタンッ!と、俺の足音よりも数十倍デカイ音を立てて部屋の扉が閉ざされた。


廊下につんのめって危うく顔面から転びそうになるのを何とか回避した俺はといえば、そんな般若の如き我が妹の形相にポカンと呆気にとられるしかなかった。


ブブブッと、ズボンのポケットに入った携帯が震える。


慌てて画面を見れば木南さんとの約束の時間まで後五分を切っていた。




「やばっ」




みっともなくへたり込んでいた体を何とか起こして準備を急いだ。


何の準備かというと、それはもちろん木南さんとのデートの約束だ。



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