生徒会長は今日も恋煩う



「き、木南さんっ」




ドキドキしながら声をかければいつもの無表情が俺を捉えた瞬間パッとほころんだ。


ああ、これは可愛すぎる。




「会長、おはようございます」


「お、おはよう」




何だろう……敬語のせいだろうか?目の前にいる木南さんがちょっとだけ遠くに感じる。




「それでは、私は約束があるので」




木南さんが俺のいる方とは反対に振り返って小さく会釈をした。


あれ、誰かいたんだろうか。木南さんがあんまり可愛いから他のものが視界に入ってこなかった。


改めて木南さんの左隣を見ると、見るからに不良そうな強面の男性がそこにはいた。


え、まさか木南さんの知り合い!?あんな怖そうな人が!?


にわかには信じがたい……。
いや、でもさっき何か話してたみたいだし。



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