生徒会長は今日も恋煩う



付き合えたことに喜んでばかりで他には何も考えてなかった。


木南さんの色んなことを知りたい。
けど、踏み込むのが怖い。嫌われたくない。




「会長」


「え、あ、はい」




うわ、最悪だ。デート中になにボーッとしてんだ。




「実は私、一つだけ確認したいことがあって……」


「確認?」


「えっと、その……私達は恋人なわけで、それはつまり色々とお互いに歩み寄りが必要というか……」


「はあ……」


「それで、いつまでも会長のことを会長と呼ぶのはあまりにも他人行儀だと思うわけですよ」


「そうかもしれないね」


「だからえっと……名前で、呼んでいいでしょうか」


「……っ!も、もちろん!」


「あ、ちゃんと生徒会室では会長と呼ぶので安心してください!」


「え、いや、別に学校でも名前で呼んでくれたら……嬉しい、とか、思ってたり……」


「……はい」




なんだろう、この全身が湧き上がるようなくすぐったい会話は。


さっきから心臓がドキドキしすぎて苦しい。



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