生徒会長は今日も恋煩う



「あの……これ、何ですか」


「……思いのままに動いた結果です」


「ふふ、何ですかそれ」


「たまにはいいかな、と」


「たまには、ですか」


「……たまに、で勘弁してください」


「慧太くんのそういうとこ、好きですよ」


「俺のほうが木南さんのこと好きです」


「いえ、これだけは絶対誰にも負けません」


「お、俺だって負けない」


「じゃあ、間を取ってお揃いということで」


「そういうことにしときます」


「うわ、何かその言い方ズルい」


「ズルくないです」


「ズルいです。慧太くんのこと嫌いになります」


「はやっ」


「嘘です、大好き」


「なっ……そっちこそズルい……」


「嫌いになります?」


「……いえ、大好きです」


「私もです」


「今、すごい幸せ」


「私も同じこと思ってました」


「お揃いだね」


「お揃いです」




これから始まる二人っきりのデート。


繋いだ手に少しだけ力を込めて、俺達はいつかのように二人で笑いあった。




END


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