レギンレイヴ -Reginleif-
「三年前、私は君の住まう王都が帝国に侵攻を受け、その後、王都が陥落した時から君の行方を探したんだ。
ユライアを見つけたのは一年前くらいなんだが、君は士官候補生となっていた。それも男として…
その意図に私は気付いたよ。
だから、君が見つかった後でも私は君を保護しなかった」


「ルイ…」


聞かされたルイの想いに私は感謝をした。


「そして、君はEF特殊部隊に選ばれた。
これは運命だと私は思ったよ…」


「運命?」


彼の言う言葉の意味が解らなくてルイに問う。


「そう運命だよ。
君はユーゲントに選ばれた。
そのユーゲントを指揮するのは、この私だ。
私が率いる特殊部隊に君は実力により入隊が決まった。
これは運命としか言えない」


「ルイが指揮官!?
そんな…だって…
ルイは皇太子殿下なのに!?」


王国の姫と皇国の皇太子──

これが私とルイが背負う立場なのだ…
幼き頃より決まっていた婚約…
フュルステンヴェルグとレストアは古き時代からの友好国。
そんな二国に生まれた私とルイの婚約は必然のものだった…


「私は皇太子だが、君も王女だ。
私だって祖国の為に、君の為に戦いたいんだ。
だから、ユライア。
今度は私が君を守る。
今は亡きヨアヒム陛下の分まで」


「ルイ…」


ルイの言葉に今までの想いが込み上げてきて、瞳から涙が零れ落ちた。


「ユライア…
私が君を守るから」


ルイは泣く私を優しく包み、耳元でそう囁いた。
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