レギンレイヴ -Reginleif-


「私がですか?」


自分が特殊部隊に選ばれた事に驚き、目の前にいる理事長に問う。


「ああ、そうだ。
君は高いエーテル値を持ち、士官候補生の中でもトップの成績を有しているからね。
ただ…」


最後の言葉を濁す理事長に対して、再びアーゼル教官が口を開く。


「これから話す内容が二つ目の事なんだが…
君は特殊部隊に選ばれた。
だが、この特殊部隊は国の最高機密である事は君も理解しているだろう?」


そうアーゼル教官に問われ、私は「はい」と頷く。


「故に、素性の知れぬ者はこの部隊へと入れる事は出来ない。
従って、君達候補生の今までの素性調査を行ったのだが、君だけが引っ掛かった。
君の三年前以降の経歴がこの国において不明なのは何故なのかな?
場合によっては、話を聞いてしまった君をこの場で拘束する事になるが…」


三年前の私──
それをこの場で言ってしまえば…


「君は、ヒューゴ・ブラントなる老人と二人暮らしとなっているが、その彼は君の親族か?
ヒューゴ・ブラントの身辺調査も行ったが、彼も君とおなじく、三年前以降の経歴が不明となっている」


「…………」


何も言えずにいた私に更なる追い討ちをアーゼルによってかけられる。


「君が何も言わないつもりなら、直接彼に聞く事も出来るが?」


「ヒューゴは関係ありません!」


手をきつく握りしめ、反論した。
このままヒューゴに危害が及ぶなら、己の素性を明かしてしまおうか…
そう私が思った時だった…















「あんまり彼を追い詰めないでくれないかい?
言ったろ、彼の素性は私が保障すると…
ね?ユライア──」


この部屋に続いてる部屋より聞いた事のある懐かしい声が聞こえてきた。
そして、その懐かしい声は私の真名を言い当てた。
私は声のする方へと視線を向けると、そこには懐かしい顔があったのだった…
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