離婚、しませんか?
そんな私の葛藤を知ってか知らずか、しばし見つめ合ったままの膠着状態から先に口を開いたのは夫の方だった。

「どんなに身勝手なことをしていると分かっていても、実花に申し訳ないって思っていても。キミのいない毎日なんてもう考えられないくらい、どんどんキミに溺れて……オレはもう、キミを失うことなんて出来ないんだ。キミが離婚したいと言うならどんな手を使ってでも阻止するし、キミが逃げるならどこまででも追いかけて捕まえて閉じ込めて二度と離さない」

夫からの告白に激しくときめいていた胸が、後半、なんだかぞわりと悪寒に震えた気がするけれど、うん、聞こえなかったことにしようそうしよう。
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