離婚、しませんか?
自身をきつく抱き締めながら丸まって、四つん這いの格好のままでこちらを呆然と見つめる夫を睨みつける。

「あなたなんて、どうせ、私のこと、好きでもなんでもないくせに!それなのに、どうして、こんなこと……ひっ、……っ、するの?好きな振りして、キスしたり、優しい振り、したり!」

そう。
一度だって夫から『好き』だと言葉にされたことはなかった。
どんなに優しく、激しく抱かれても。
毎日毎日キスをされても。
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