離婚、しませんか?
『ましてや好きでもない男に』

そうよ。そうだよ、そうそう。
どうでもいい人となんて、する訳ない、か……ら……?

……え。

じゃあ、わた、し……。
この人の、ことがーーーーーーーーーーーー好、き?


すとん、と胸に落ちて来た感情が、欠けていた隙間をぴたりと埋めて、そこからじわじわと浸み出すように甘い雫が滴って、私の中にどんどん広がってゆく。


私ーーーーーーーーー好き、なんだ。

いつの間にか、この……綺麗で色っぽくて年下のくせにオレ様で。
ドSでドエロボイスで意地悪で黒王子で時々魔王で。
なのに、いつも私をとんでもなく甘やかして蕩かして。優しく包み込んでしまう夫が。
この人の声も仕草も眼差しも。全部、全部。
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