離婚、しませんか?
「あいつの夢はね、幼い頃からずっと同じだった。『ひーくんのお嫁さんになりたい』って。ひーくんっていうのはオレのことだよ。あいつ、いつもオレの後ばっかり付き纏っては、ひーくん、ひーくんって甘えてきてさ。オレに彼女が出来ると、部屋まで押しかけて来てワンワン泣くんだ。『実花をお嫁さんにするまで誰とも付き合わないで』って」
「そうだったの……。小さい頃からあなたのことが、大好きだったのね」

そう言った途端、夫の顔が泣き笑いのような表情に変わった。
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