離婚、しませんか?
やっぱり、夫のことが好き、です
『ひーくんにいつも、沢山の幸せが訪れますように』

……たった、十七年。

彼女が生きて、駆け抜けたあまりにも短い時。

病を抱えていた彼女だからこそーーー命の重みを、生きている喜びを、当たり前のように過ぎてゆく日々の大切さをーーー誰よりも噛み締めながら精一杯頑張って。そして恋をして……恋に、破れて。

一途に慕い続けた、きっと……最初で最後の恋をした従兄への、手紙を遺して逝ってしまった彼女。

どんな気持ちでこれを、彼女は書き綴ったのだろう。

今も尚、彼女の息遣いさえ感じられるようなひと言ひと言から、健気で、いじらしい少女の想いが沁み入るように胸に迫って来る。
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