*Only Princess*
すると菜生が、突然。
「ごめんなさい……ごめんなさいっ……」
謝罪の言葉を言い始めた。
「おい……なんで謝るんだよ。菜生が謝る必要はねーだろ?」
「ごめんなさい……っ」
事故以外に何かあったのか。
そう思わざるを得なかった。
何も言えず、俺は菜生の頭を撫でた。
少しでも落ち着きを取り戻してくれればいいと思って。
「あのね……話があるの。白鷹のみんなに」
「話……?」
なんだろう。
ものすごく嫌な予感がする。
だけど菜生の言葉に頷いた。
「今、みんな屋上にいるから、そこで話すか?」
授業のことは頭になかった。
こくりと頷いた菜生の手を引き、2人で屋上へ向かった。