*Only Princess*
「菜生、せめて理由を教えて? 休んでた間……事故のとき。何があったの?」
「っ……ごめんなさい」
きっともう、今は謝罪の言葉しか出てこないだろう。
俺は俯き震える菜生を見つめた。
好きで”白鷹から抜ける”と言ってるわけではない。
それは信じていいだろう。
そのことよりも……孤独で不安な気持ちを抱えているであろう菜生を助けたい。
あのとき傍にいてあげれば、とか、なんで気持ちをわかってあげられないんだろう、とか。
そういう後悔ばかり考えていてもしょうがない。
菜生は今、独りなんだから。
先を見て……菜生を助け出してやらないと。