シグナル

「その基地はここからどの位の距離にある、

夜明け前に着けるのか?」

「それは十分に可能かと思います、

ただ…」

「ただ何だ!」

「ただ唯一の不安材料は、

奴らの基地へ向かう途中、

周りに何も無い事です!

今の時期、

この辺りは磁場の影響が強く、

コンパスが使い物になりません!

その為月夜の明かりや、

星空だけを頼りにしなければならず、

空が曇ってしまえば、

方角を判断する材料がなくなってしまいます!」

部下の意見を聞き終えたルイスであったが、

せっかくの部下の意見も重要視しておらず、

この時のルイスは、

手柄を立てる事しか頭になかった。


「そうか…確か今日は、

朝から雲一つ無い青空だったな?」

暫く考え込んだルイスは、

一つの結論を導き出した。


「奴等の基地をたたく、

出発するぞ、

各部隊に伝えろ!」

「お待ち下さいルイス隊長!」

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