シグナル

だがそんなある日、

おやじ狩りをしようとした彼らだが、

警戒中の私服警官に発見されてしまった為、

逃げ遅れた彼はそのまま捕まってしまった、

その事は当然安藤の耳に入る事となったが、

この時既にどう対処したらいいか解らず、

手の打ちようがない状況となっていた。

 
あの悪夢の様な電話が掛かってきたのはそんな時であった。


未成年ながら酒を飲んだ息子は、

仲間にそそのかされ無免許でバイクに乗り、

事故を起こしたというのだ、

仲間がすぐさま救急車を呼んだが、

手当をされることはなかった、

ヘルメットを被っていなかった彼は、

ほぼ即死に近い状態だったのだ。


妻は一人息子を亡くしたショックから立ち直る事が出来ず、

買い物で寂しさを紛らわす様になってしまった。

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