シグナル

呆然と立ち尽くす青木、

そこへ安藤が様子をうかがいにがやって来た。


「どうだ、あの子の親は来たか?」

「それが、

一応来たには来たんですが…」

「ん?来たけどどうしたんだ?」

不思議そうな表情を見せる安藤。


「御両親とも来ました」

「なら良かったじゃないか、

取り敢えずは身元が分かったんだからな…」

「それが良くないんですよ」

この言葉に眉をひそめる安藤。


「良くないってどういう事だ?

両親が来たならひとまず安心じゃないか」

一度首を左右に振り、

辺りを見廻した安藤が更に尋ねた。


「ところで両親は何処にいるんだ?」

「帰りました!」

青木が一言応えたが、

その一言に安藤は驚いていた。


「なに!上に報告もせずに帰したのか?」

「別に私が帰した訳じゃありません!」

「でも帰ったんだろ?

上にも来た事を報告してないんだよな!」

「それはこれから報告に行こうと思ってたんですけど…」

「まぁいい、

でもどうして両親は帰ってしまったんだ?

あの子の親に間違いなかったんだろ?」

首を傾げながら言った安藤は、

その後青木が言ったあの言葉を思い出した。

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