シグナル
井上は休む間もなくすぐさま尋ねる、
「一体何があった、
全部はなしてみろ!
落ち着いて、
ゆっくりと…」
その問い掛けに、
武雄が静かに語り始めた。
「さっき警察に行って来たんだ、
実は武彦が警察に捕まってしまって…
さっき鑑別所に送られたところだ…」
この事を聞いた井上の顔は、
瞬く間に驚きの表情へと変わっていく。
「何かの間違いじゃないのか?
どうしてあんなに大人しい子が、
何故鑑別所に送られなければいけないんだ!」
「それがあいつ、
何人もの人をナイフで刺してしまって、
その内二人の人が亡くなってしまったらしいんだ!」
「……」
井上はあまりの衝撃に、
一瞬言葉を失ってしまった。
「冗談言うなよ、
何かの間違いじゃないのか?
あの子にそんな事が出来るなんて、
とても思えないぞ!」
井上のこの発言にも、
二人の落ち込んだ表情は変わらず、
この表情に井上は、
夕方のニュースを思い出した。