すれ違う未来
学生の時に付き合っていた元彼と別れるきっかけは、元彼の部屋で女性物の下着を見つけてしまったこと。
下着を忘れたということは、替えの下着を持っていたということで・・・つまり、泊まって行ったということ。
私が選ぶことが無い様なセクシーなデザインの下着に怒りが込み上げた。
悲しみより、怒り・・・。
浮気された事や、元彼の気持ちが私以外に向いた事を悲しいとは思わなかった。
こんな馬鹿な男を選んだ自分が情けなく、腹が立った。
元彼に浮気の証拠を突き付けて問い詰めると、
「お前は抱いてても面白みがなかった」
「エッチ以外で不満は無かったんだけど・・・」
なんて事を言われて、本当に頭が沸騰しそうだった。
私を抱いても満たされない欲求をいつも違う女性に求めていたというのだ。
何度も、何度も・・・。
元彼は私にバレなければいいと思っていたと言った。
私が本命なのだと・・・。
本当に呆れた男だった。
優しくてカッコイイ、そんな男に告白されて浮足立った自分を恥じた。

言いたい事を言ってスッパリと別れて、スッキリしたはずなのにもの凄い疲労感。
・・・恋愛って面倒。 そんな風に思った。

だから、彼にだってハッキリ浮気を疑っていると言えば良かったじゃないか?と思う。
でも、できなかったのは、彼が元彼とは違い 誠実な人だと信じていたかったから。
彼は浮気なんてしているはずが無い。
私からの別れを「嫌だ」と止めてくれるとどこかで思っていた。
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