[完]全力恋奏~音に乗せて~
けれど、私たちは少し雰囲気が悪くなってしまいました
近くのカフェに一度入って席に座る
4人がけで、向かって左奥が私、その隣が新村くん、私の目の前が紅ちゃん、その隣が飯倉くんだった
なぜそんな席になったかと言うと、新村くんが隣に座ると言ったからで……
取り敢えず、一言も話さないこの状況……
店員さんも気まずそうにお水を持って置いて、去る。
「……あの」
私が発した声にみんなが私を見る
「…さっきは、助けていただいてありがとうございました」
頭を下げて言う
「…何か、あいつら騙すために言った事でこんなになって、ごめん」
続けて飯倉くんが謝った
「…しょうがないんじゃない?ね、柊羽」
「あぁ。むしろ人助けだし」
そう言っている新村くんの顔はどことなく不機嫌そうで
私がじっと新村くんの顔を見つめていると、顔が赤くなっていた
……??
「…私!」
もうどうしたらいいか分からなくて、思わずたってしまった
えっと……あ!
「飲み物!取ってくるね」
「しずく」
立った私をしたから見上げるように呼んで
「俺も行く」
そう言った
たったそれだけだけれど、とてもそれがカッコよくて……こんな時に言うことじゃあないんだろうけども