一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
驚き首を傾げる彼に、声を荒げた。

「するわけないじゃないですか!」

「えー、どうして? ミャーもその気だったくせに」

「なっ……! 違いますから! そんなこと言うならもう今日は帰ってください!!」

早口でまくし立てると、途端に南さんは慌て出した。


「え、それは困る! ミャーのだし巻きたまごを食べるのを、楽しみにして来たんだから。わかった、もうしない」


だし巻きたまごって……! いや、さっきの続きなんてされたら困るけど! けどだし巻きたまごに負けた気分だ。

「……じゃあ今から作るので、ちょっと待っててください」

「うん、わかったよ」

素直な子供のように微笑む彼に、やっぱり胸がときめいてしまい、面白くない。

どうして私は彼に、こんなにも振り回されてしまっているのだろうか。

小さく息を漏らし、再びドアノブに手をかけ開けた。
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