理想の人は明日から……
 祝賀パーティーに用意された着物は、素人の私が見ても素晴らしい物だった。

 薄いグリーンに薄いピンクの花が裾の方から品よく並んでいる。


 髪も美容師さが夜会巻きにアップしてくれて、それなりになった。


 案内役となった、十名の女性社員が和装で揃う。

 半分以上が受付の子で華やいでいる。


 私は、場違いじゃないかと不安になったのだが……


「あの子誰?」

 案内役の一人が言った。


「営業部の子らしいわよ」


「ええ―。凄く綺麗じゃない……」



 すると、その女性が声を掛けて来た。


「私、受付の長谷川です。今日はがんばりましょうね……」


「営業の南です。宜しくお願いします」
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