俺様社長に飼われてます。


「それとそいつは愛人じゃない。というか俺はまだ独身だ」

「え?てことは本命の彼女!?あらやだっ、アタシ邪魔しちゃったかしら!?」

「違う、落ち着け」


柳谷、と呼ばれたその女性口調の男の人の綺麗な顔面に分厚い背表紙の本がくい込んだ。

うわ、痛そう。


よほど痛かったのか先ほどまで一人でキャッキャッと騒いでいたその人は鼻を押さえてうずくまっている。

本を投げた張本人である高山さんは彼――彼女?が静かになったことに満足したのかため息をついて頬杖を突いた。


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