叫べ、叫べ、大きく叫べ!
お昼は残念なことに1人になる隙すら与えてくれず今、都波とそのなぜか都波の友だちと一緒に学習室で昼食を共にしている。
いや、凄く気まずいんだけど。
噂では私たちが付き合っていると出回っているからってここまでする必要なくない?
しかもよりによって、この人たちとだなんて……。
机はくっつけず、まばらに座っている私たちは近くも遠くもなく、普通に話せば聞こえるそんな距離を保っている。
それなのに会話がひとつも無い。
シーンとする中、他の教室からの物音や人の声がよく聞こえて私はハム&チーズのサンドイッチを食べながら耳をそっちに傾けた。
ふと視線がぶつかったのは糸口くん。
何を考えているのか分からないその瞳に少し戸惑いながら軽く会釈をすると、彼も同じように頭を垂れさせた。
シーン……。
本当に何も話さないな。
カチャカチャと箸のぶつかる音や袋を丸める音だけはする。あと、糸口くんが読んでいる本をめくる音。ただそれだけ。
そしてなにより、都波がやけに静かってこと。
あんな強引に私をここまで引っ張ってきたのに、一体何がしたかったワケ。
なんか時間の無駄だな。
こうなるって分かっていたら真っ先に屋上へ行ってたのにな。
午後の授業開始まであと30分あることを確認した私は屋上へ行こうと椅子から立ち上がった。