叫べ、叫べ、大きく叫べ!
ふとスマホが視界に入った。
のそりと起き上がって充電器に繋がれたそれを手に取りアプリを開く。
家族と都波以外に新たに加わった4人の名前。
糸口真守
真田剣
立石皐月
西村文香
まさかこんな展開になるとは思わなかった。
それも全て都波が解放してくれなかったのがいけないんだ。
話は済んだと思って、1人屋上へ行こうと立ち上がるとまた都波に足止めされてしまい。
『はい、みなさんスマホを取り出してくださーい』
なんて突然呼びかけて、私を逃がすまいと囲むように4人を集めるとすぐに始まった連絡先交換。
……というのも、いつの間にか私のスマホはヤツの手の中にあって。
淡々と勝手に交換なんてされていて、もはやこれは犯罪級だと思う。
人のプライバシーが入っている物を勝手に開いて使いこなすって最低しかいいようがないでしょ。
ていうか、どんな手を使ってロック画面を開いたんだろう……。
覚えてない私も私か……、はぁ。
だからって交換したから連絡取り合うってわけでもないんだよね。残念だけど。
友だちになったわけでもないし。
悪いけど、都波は友だちなんかじゃなくて、ただ勝手に送られてくる差出人としか思っていないし。
ありがた迷惑なことしてくれちゃったな……。