国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
急いで小屋へ向かうルチアは途中でジョシュに会った。
「ルチア! 今までどこにいたんだ! ばあちゃんも心配して――その服は!?」
ルチアの姿が月明かりでわかるとジョシュはさらに目を凝らす。
「あとから来た帆船の女の人から借りたの」
そこで自分が着ていた服を置いてきて知ったことに気づく。
「どうして借りることになったんだよ!」
先を急ごうとするルチアの腕が乱暴に掴まれて振り返らされる。
「ジョシュ! 痛いわ。放して」
「ずっと心配していたんだぞ! 説明くらいしろよ」
「疲れてるの」
船の中であったことをなぜか話したくなかった。
「待てよ。なんかあったんだろ」
ジョシュが追ってきて小石がゴロゴロしている道の上を早足で行くルチアの隣に並ぶ。
「心配することはないから。疲れているの。もうなにも言わないで」
「ルチア……」
小屋が見えてきた。入り口に祖母が立っている。
「ルチア! 今までなにをしていたんだい! もう真夜中だよ! 近衛兵たちに絡まれているんじゃないかと心配だったんだよ」
「おばあちゃん、ごめんなさい。そういうことじゃないから安心して」
布を上げて小屋の中へ入ると、帆船でのことが夢だったように思えてくる。
「じゃあどういうことなんだい!?」
祖母は興奮気味に布で仕切られた中へ入ったルチアに外から声をかける。
ルチアは着ていた服を脱いでいつもの質素なブラウスとスカートを身につける。
借りた服はきちんと畳んで隅に置く。明日の朝、洗うつもりだ。
「ルチア! 今までどこにいたんだ! ばあちゃんも心配して――その服は!?」
ルチアの姿が月明かりでわかるとジョシュはさらに目を凝らす。
「あとから来た帆船の女の人から借りたの」
そこで自分が着ていた服を置いてきて知ったことに気づく。
「どうして借りることになったんだよ!」
先を急ごうとするルチアの腕が乱暴に掴まれて振り返らされる。
「ジョシュ! 痛いわ。放して」
「ずっと心配していたんだぞ! 説明くらいしろよ」
「疲れてるの」
船の中であったことをなぜか話したくなかった。
「待てよ。なんかあったんだろ」
ジョシュが追ってきて小石がゴロゴロしている道の上を早足で行くルチアの隣に並ぶ。
「心配することはないから。疲れているの。もうなにも言わないで」
「ルチア……」
小屋が見えてきた。入り口に祖母が立っている。
「ルチア! 今までなにをしていたんだい! もう真夜中だよ! 近衛兵たちに絡まれているんじゃないかと心配だったんだよ」
「おばあちゃん、ごめんなさい。そういうことじゃないから安心して」
布を上げて小屋の中へ入ると、帆船でのことが夢だったように思えてくる。
「じゃあどういうことなんだい!?」
祖母は興奮気味に布で仕切られた中へ入ったルチアに外から声をかける。
ルチアは着ていた服を脱いでいつもの質素なブラウスとスカートを身につける。
借りた服はきちんと畳んで隅に置く。明日の朝、洗うつもりだ。