神にそむいても
「ミケ!?」
「うにゃああ」
帰宅して私と智を玄関で出迎えてくれたのは、
あの世界で私が最初に出会った三毛猫にソックリなネコ。
私の足にすり寄ってくる。
えぇ!?
どういうこと!?
智を見ると、
「多分ミケかもな」って言いながらそのネコを抱えた。
「コイツ、オレが奈良から帰ってきた時、ウチの前にいたんだよ。
姫んちのミケとあんまり似てるし、
“ミケ”って呼んだらこの調子だろ。
もう飼うしかねぇなって思ってさ」
「そうなんだぁ」
智からミケをもらい、抱く。
「ミケ~」
ぎゅっと抱きしめる。
ミケはほっぺたをスリスリ。
うん、きっとミケだ。
初めて会ったのがお前だったね。
また、会えたね。