神にそむいても


「ミケ!?」

「うにゃああ」

帰宅して私と智を玄関で出迎えてくれたのは、
あの世界で私が最初に出会った三毛猫にソックリなネコ。

私の足にすり寄ってくる。

えぇ!?
どういうこと!?

智を見ると、
「多分ミケかもな」って言いながらそのネコを抱えた。


「コイツ、オレが奈良から帰ってきた時、ウチの前にいたんだよ。
 姫んちのミケとあんまり似てるし、
 “ミケ”って呼んだらこの調子だろ。
 もう飼うしかねぇなって思ってさ」

「そうなんだぁ」

智からミケをもらい、抱く。

「ミケ~」

ぎゅっと抱きしめる。

ミケはほっぺたをスリスリ。


うん、きっとミケだ。

初めて会ったのがお前だったね。
また、会えたね。




< 216 / 233 >

この作品をシェア

pagetop