神にそむいても


ピンポーン。

荷物を片づけてリビングに智といると、
玄関のチャイムが鳴った。

多分孝くんだ……。


私たちは顔を見合わせる。

智は小さくうなずくと、玄関へ向かった。


「うぃ~っす!智大丈夫?」

玄関から孝くんの元気そうな声がきこえる。

太陽みたいな孝くんを私たちは今から曇らせてしまう。
そう思うと、苦しい。

けど、私はもう逃げない。


「美姫ちゃん!!」

リビングに入って私を見つけるなり、
孝くんはカオをぱぁ~って輝かせて私に駆け寄ってくる。

「久しぶりだね」

「え~、そんな経ってないよぉ」

そか。
現実は一週間しか経ってないんだった。


「そだね。私、ずっと夢見てたから。長く感じるのかな」

智は私のコトバをきいてくしゃって笑った。


私たちはいつものようにダイニングテーブルに着席する。
私の前には智、智の隣には孝くん。

こんなふうに三人でここで顔を合わせるなんて本当に久しぶりだな。
最後にこうやって三人で座ったのってもうずいぶん前のことみたい。


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