神にそむいても
「今日、孝にきてもらったのはハナシがあったからなんだ」
「どうしたの?改まって」
智と私が真顔で孝くんを見てるから、
ビックリしちゃって孝くんはおどけるように言う。
「オレも美姫のことが好きなんだ」
「え!?は!?えぇ!?」
孝くんはオロオロしながら、私と智を見比べる。
「待って待って!待ってよ!智と美姫ちゃんって、」
「オレたちイトコだったんだ」
「えぇ!?」
孝くんがイスから転げ落ちそうなほどのけぞった。
「マジで……?」
孝くんは体勢を立て直して私を見る。
コクン。
小さくうなずいた。
「そっか……」
孝くんはヘラって笑う。
「じゃあ、ふたりは初めから両想いだったんだね」