神にそむいても


あれ?
雨かな?

世界史のテスト範囲を勉強をしていると、キリのいいところで集中力も途切れた。
すると、急に外の音が耳につく。

部屋のブラインドの角度を少しだけ変えると、ガラスに雨粒が激しく当たっていた。


こんな日はあの時のことを思い出してしまう。

私たちがお互いを意識し合うようになったのは2年前の梅雨時期だった。
その夜は雨がしとしとと降っていて、雨音が心地良かった。


私と智は知らない人には双生児だと勘違いされるけれど、実際は双子ではなく年子の兄妹。

元々年子で生まれる予定だった私が5月の出産予定日を2か月近く早く生まれることになって、
結果私と智は同じ学年に所属するようになった。


両親が早くに離婚して、幼い頃は母方の実家に私たちだけで預けられていた時期もあって、
そのせいか、兄妹仲はすごくよかったと思う。

双子ではないけれど、まるで双子みたいにお互いの存在が見えないと常に不安になっていた。


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