神にそむいても
「あなた誰?」
ドキッ!
ミケ(三毛猫だから勝手に命名)を抱いたままキョロキョロしていると背後から声がした。
おそるおそる振り返ると、
そこには私が今してるのとおんなじような格好をした女性が
家の縁側のような場所に立っている。
ゾクッ。背中に冷たいものが通る。
だって、その人がまるで鏡に映る自分自身を見ているかのようだったから。
当然、目の前の彼女もおんなじように感じたんだと思う、
私の顔をまじまじとしげしげと穴があくほど見つめてくる。
「ひぃっっ。だ、誰か、誰か」
彼女のすぐ隣に立つ老女は幽霊でも見たかのようにみるみるうちに青ざめて
その場にへたり込んでしまった。
そして、うわごとのように助けを呼ぼうとする。
ちょっ!!
ここで人を呼ばれたりしたら、不法侵入ってヤツで捕まっちゃうんじゃないの!?
どうしよう!!
「うた、お静かになさい」
「しかし、姫さま」
”うた”と呼ばれた老女は私とそっくりな”姫さま”と呼ばれた彼女の足にしがみついて、
すっかりうろたえている。
ミケは私の手からすり抜け、彼女のもとに駆け寄ると、彼女の足元をスリスリしている。