神にそむいても


「ねえ、あなた」

うたさんとは対照的にどっしりと構えて私を見据えながら、
たおやかにしなやかに形の整った唇を開く。
ゾッとするほどキレイ。

うりふたつだけれど表情はまったく違うから、別人のようにも見える。

「はぁ……」

「名はなんと言うの?」

「……美姫です」

「どのように書くの?」

きた、この質問。
いつもきかれるチョー苦手な質問。

「……”美しい姫”と書きます」

自分で言ってて恥ずかしくなる。
どのクチがそんなことを言ってんだ。
だけど、これがストレートに伝わるのだから仕方がない。

「まぁ」

彼女は決してバカにしている様子ではなく。

小さく驚いたあと目を細め、
「良い名をいただいたのね。やはり、私と似ているからかしら」
と自慢を含んだ言い方をする。

「……そう、ですね」

曖昧に笑い返した。

まぁ、姫なんて呼ばれてるくらいだしね。

私だって容姿はそれなり褒められてきた。
その私とそっくりな上に、表情は私なんか及ばないほどのキレイさ。
生まれもって備わった品みたいなものが、私にも感じる。

そして、このいかにも温室育ちのちやほやされた感満載の彼女にしたら、
自慢を自慢として言っているつもりなんてサラサラないのかもしれないな。




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