【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「あの、お手洗いに行ってもよろしいでしょうか?」

愛香がそう声をかけると、
「いいですよ。

琴子、案内してあげなさい」

父親がそう言って琴子に声をかけると、彼女は嫌々と言った様子でソファーから腰をあげた。

「どうぞ」

琴子は愛香に冷たく声をかけると、一緒にリビングを後にした。

彼女の後ろについて行くようにトイレへと向かっていたら、
「――私のこと」

琴子が声をかけてきた。

「あ、はい」

愛香が返事をしたら、
「本当に覚えていないんですか?」

琴子がそう言って鋭い視線を向けてきた。

「えっ、何がですか?」

自分に視線を向けてきた理由がわからなくて、愛香は聞き返した。

愛香の問いが気に入らなかったのか、琴子はチッと舌打ちをしてきた。
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