【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「えっ…」

何故か舌打ちをされた理由が、愛香はわからなかった。

「あの…私、何か気に障るようなことをしましたか?」

愛香がそう聞いたら、
「別に」

琴子はたった一言、これ以上は口を聞きたくないと言うように返事をした。

冷た過ぎる彼女の態度に、愛香はどうすればいいのかわからなかった。

「ここがトイレです。

帰りは自分で戻ってきてください」

琴子は目の前のドアを指差した後、早足でこの場から離れた。

愛香はトイレに入ると、息を吐いた。

「私のどこがあの子の気に障ったんだろう…?」

自分の今日の服装が気に入らないのだろうか?

もしかしたら、先ほど母親に渡した手土産が気に入らなかったのだろうか?

いろいろと心当たりを探してみる愛香だが、これだと言うものは思い浮かばなかった。
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