【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「あの人、絶対に結婚詐欺師だと思うよ。

お兄ちゃん、早くあの人と縁を切らないとお金を盗られちゃうよ?」

琴子が自分を嫌っていた理由がわかった。

彼女は、自分のことを結婚詐欺師だと思っているのだ。

「でも2年もつきあっているんだぞ?

その間にお金を要求されたり、高いものを買わされたりもしなかったし…まあ、愛香は思ったことを口に出すことができない引っ込み思案なところがあるんだけどね」

各務原が自分を擁護してくれたのが、愛香はそれを嬉しく思うことができなかった。

「わかってないなー、最近の結婚詐欺の手口は進化しているんだよ?

そう言う思ったことを口に出さないタイプの女こそが実は詐欺師でしたなんてことがよくあるんだから」

「…そう言えば、自分の学生時代のことを話したがらなかったような気がする」

疑惑の目を向けてきた各務原に、心が凍ったのが自分でもわかった。
< 237 / 405 >

この作品をシェア

pagetop