【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～
琴子と顔をあわせるのが怖くて、ゆっくりと恐る恐ると言った様子でリビングへ足を向かわせた。

「えっ、本当？」

驚いた様子の各務原の声が聞こえたので、愛香はその場で立ち止まった。

「本当だよ。

お兄ちゃん、あの人に騙されているんだよ」

琴子の声も聞こえてきた。

彼女が言っている“あの人”とは自分のことだろうか？

でも、どうして自分が各務原を騙さないといけないのだろう。

「この間、あたしが参加した合コンに白川さんも参加していたんだよ？

お兄ちゃん、絶対に騙されてるよ」

そう言った琴子に、
「ご、合コン…？」

愛香は耳を疑った。

マキヨに無理を言って参加をお願いして、後味が悪い結末で終わってしまったあの合コンを指差しているんだと愛香は思った。

その合コンに琴子も参加していたと言うのだが…素直にマキヨの言う通りに従っていた愛香に、彼女の存在はわからなかった。
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