偽りの副会長に恋をした
「尾方!それが終わったら、その資料を生徒会室の机の上に運んどいてくれ」

「分かりました」

作り終えた資料を手に持ち、生徒会室へ運ぶ。

廊下を歩いていると、グラウンドからは運動部の賑わう声が聞こえてくる。他にも、放課後に残ってる生徒の声や、私の足音が響いていた。

「はぁ…早く運んで、帰ろう」

生徒会室に着いて、ノックするが返事がなかった。

「しっ失礼します…」

中に入ってみると、誰もいない。

やった〜!

でも、鍵が開いてたから生徒会の人がいたのは事実。急がないと!

高嶋先生に言われた通り、机の上に資料を置いた。

後は、教室に置いてきた荷物を取りに行って帰るだけ!!!

扉に手をかけて、開けようとした時だった。私が開けるより早く扉が開いた。

誰かが帰って来た!?

ぶつかる!!!

そう思い、思わず身が固まってしまった。だけど、相手は私がいることに気づいてくれた。おかげで、ぶつかることはなかった。

「おっと!ごめんね。大丈夫…って君、確か入学式会ったよね?」

…嘘だとか言ってほしい。副生徒会長様が帰ってくるなんて聞いてないよ!?


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