偽りの副会長に恋をした

下校中…

【龍樹ｓｉｄｅ】

「お待たせ。待たせちゃったかな？」

「…いいえ、そんなに待ってませんので大丈夫です。それより、早く私のカバンを返してください」

「ダーメ！！カバンを返したら、僕を振り切って帰りそうだから、まだカバンを返しませーん！！」

それに、僕は運動はそんなに得意ではない。多分、尾方さんが全力で逃げたら追いつけるかどうか…

そんなことを考えてると、誰が僕の悪口？を言ってる感じがした。

「…ねぇ、変なこと考えてる？」

「イエ、カンガエテマセン」←

あっ、考えてたんだ。分かりやすいなぁ…

「じゃあ、帰ろうか。それと、僕から逃げようなんて考えないでね？」

「分かりましたから、早く帰りましょう」

あれ？案外素直な返事が返ってきた。やっぱり！僕の努力は実ってるんだよ！！

…と思うんだけど、さっきからこの子、ため息しかついてない。そんなに僕と帰るの嫌なの！？なんかすごく傷つくなぁ…

う〜ん…ちょっと強引だけど、手を引っ張っていこうかな？

「ほら、早く帰るんでしょ？行こ！」

「えっ！？あっ、ちょっと！？」

尾方さんは振りほどこうとしてるけど、がっちりと手を握ってるから振りほどくことは出来なかったようだ。

結局、強引に一緒に帰ってるんだけど…僕って、女子と２人きりで帰るの初めてなんだけど…これからどうしたらいいの！？