偽りの副会長に恋をした
教室内が会話の声でうるさい中

始業のチャイムはまだなのに、教室の扉が開く。みんなの視線は扉に向く。

扉の方には、ある先輩が立っていた。その先輩をみた女子生徒の目を釘付けにし、歓声が教室に響き渡った。


そう…その視線の先には、あの立花先輩がいたからだった。

「…すみません。尾方さんはいますか?」

なっなんでクラスに来てるんだ!?

先輩が私を呼ぶから、先輩に向かれていた『愛しそうに見る目』が『狂気を感じる鋭い目つき』に変わり、私を見てくる。

めっちゃ怖いんですけど!?

「おや?そこにいらしてたんですか?」

立花先輩が、私の方に一歩ずつ近寄ってくるにつれ、私も一歩ずつ後ろに下がる。

「どうして逃げるんですか?」

「いやぁ…(汗)」

一歩ずつ後ろに下がっていた私だが、とうとう背後が壁にぶつかってしまい、逃げ道を失った。

「やっと、逃げなくなりましたね?尾方さん」

「…あの、私に何の用でしょうか?」

早くこの状況をどうにかしてーーーー!!!!

< 24 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop