銀色の月は太陽の隣で笑う

ふにゃりと顔全体の筋肉を緩めたルウンが、楽しそうに笑う。

話を聞いているのかどうかは定かでないが、完全に酔っ払っているこの状況では、それも仕方がない。


「中心地にあたる街の大きさで言ったら、やっぱりここ西方が一番だと思うけど、住みやすさで言ったら、断然東方が一番だと僕は思うよ。まあ、フラフラと故郷を離れて旅をしている僕が言えたことじゃないけど」


話しながら苦笑するトーマを眺めて、ルウンはふにゃりと笑ったまま、頭を左右にゆらゆらと揺らしている。

完全に話が頭に入っていないことは見れば分かるが、それでもトーマは懐かしい故郷の景色を思い出しながら話を続ける。


「いって、みたい……」


不意に、ポツリと呟くような声が聞こえた。

トーマが一旦口を閉じると、ルウンが再びポツリと呟く。


「トウマの、うまれたところ。……東方の町、いってみたい」

「うん。僕もルンに、ぜひ見て欲しいな」


自分でもビックリするくらい、あっさりと言葉が零れ落ちた。するとルウンが、嬉しそうに笑う。
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