銀色の月は太陽の隣で笑う

柔らかくて、温かくて、何か小さなものが、すっぽりと腕の中に収まっている。

猫だろうか……?いや、腕の中にあるものは、ふにゃりと顔全体の筋肉を緩めるようにして笑い、歌うようにして言葉を紡ぐ。

小鳥がさえずるような可愛らしいその声が、名前を呼んだ――――。


「……マ」

「……ト……マ!」

「トウマ!」


ハッとして目を開けたとき、トーマはまだ夢の中にいるような不思議な感覚に囚われたまま、ぐるりと首を巡らした。

すぐ隣に、ルウンがいる。昨日までのパジャマ姿とは違い、ばっちりと身支度を整えたルウンが。


「……あれ?」


思わず口をついて出た疑問符に、ルウンもまた不思議そうに首を傾げた。


「……トウマ、起きてる?まだ、寝てる?」


顔の前で確認するように左右に振られた手の平に、トーマの脳がようやく起きて動き出す。その瞬間、体中というより主に首の辺りに、痺れるような痛みが走った。


「うぎっ!?い、痛っ……」


原因はもちろん、おかしな格好で寝ていたせい。
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