銀色の月は太陽の隣で笑う

好奇心――と心の中で呟いて、ルウンは浮かせていた腰を椅子の上に戻す。

トーマは、どこかホッとしたような顔で笑った。


「僕ね、新しいことを知るのが好きなんだ。自分がそれまで知らなかったことを知ると、世界が広がるような気がして凄くワクワクするから」


ジャム一つでそんなにも世界は広がるものなのかと思ったが、トーマのキラキラ輝く瞳を見ていると、ジャム一つでも世界は大きく広がるような気がしてくるから不思議だった。


「だから今は、紅茶には砂糖の代わりにジャムを入れることもあるって知れただけで充分。味の確認は、またの機会に取っておくよ。その方がワクワク感が持続して楽しいからね」


分かるような分からないような気持ちのままに、ルウンはひとまず頷いておく。

なんにしろ、トーマがそれでいいと言うのなら、それでいいのだろう。

ルウンがジャム入りのお茶を飲み干したところで、トーマは最後の一つのビスケットを口に入れる。

サクッサクッと響く音に、シャワーのように降り注ぐ雨の音が混じりあった。

先ほどより幾分勢いが弱まったような気はするけれど、それでもまだ雨は降り続いている。
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