俺、兄貴になりました④
「久遠くん!あの…こ、これ貰ってくださいっ!!」
亘と話をしていると、いつの間にか近くに来ていた女の子がプルプルと体を震わせてチョコを差し出してきた。
あー…またチョコか。
なんて思っていたら
「チョコじゃなくて、あの…レアチーズケーキなんですけど…」
なんて申し訳なさそうに言った彼女。
レアチーズケーキ?
え、作ったの?
「チョコばっかりだと、困るかなと思って…その…」
俺のことを考えて作ってくれたのか。
そう思ったら、なんだかすごく嬉しかった。
手渡しでくれたのも、この子が初めてだ。
大体の子は朝のように靴箱や机に遠慮なく突っ込んで行くだけだったから。
俺に渡せれば、それだけで満足なんだろうって。
自分が満足できればそれでいいんだろうって、思ってたから。
だから、こうやって震えながらも一生懸命俺に手渡してくれる目の前の彼女が可愛いなんて思ってしまった。