彼女の一番になる方法。
「じゃぁ今日は、この校舎の案内と、授業カリキュラムのつくり方のベースを伝えますね。」
「はーい」
にこにこしながら光一先輩が隣の席から私の方を見る。
「先輩、そんな見られるとやりにくいです。。」
「だって、大学の時は俺が先輩だったのにさ、
今は俺が教えてもらう立場になってるし。
ちょっと面白くない?」
手あたり次第近くにある資料を見ている。
その顔を見ていると、仕事に真剣なんだと感じる。
「そうは言っても、九州支部のやり方と大きく変わらないと思います。
すぐに慣れますよ。先輩相変わらずかっこいいから、女子高校生にもかなり人気になるかも」
「えー、そんなこと言われると調子乗るけどさ。
柚子も髪がきれいなんだから、結わってないで下せばいいのに。
あれ?ダメなんだっけ結ばないと。」
「いや、そういうのではないんですが、バサバサするのが苦手で」
「じゃぁいいじゃん。ちょっと後ろ向いて」
光一先輩がゴムを取る
「ほらぁ、こっちの方が断然きれいだって。
それこそ、男子高校生が黙ってないんじゃな?」
笑いながら、頭をポンポンする。
一瞬、桜木くんの顔がよぎった。
可愛いって言ってくれるかな、
とか、夢見すぎでしょ、私。