猟犬に愛された姫~ドリームライブ~
「なんならお手本を見せて上げる。」



-ドンッ!



『ーーーーえ?』



いきなりあたしは春に
突き飛ばされ素振りをしていた
選手の方よろけてしまった。



選手のパンチはびっくりしてたけど
勢いは止まらずにあたしの胸の直撃してしまった。




「稚菜!」


大将は慌ててあたしに駆け寄ると
抱き上げあたしの胸をさすった。



「今医療班を呼んでくるからな!?」



あたしはそう言った大将の腕を掴んだ。




「なにしてんだよ。」



『ライブ……それにその人も騒いだら
大会出られなくなっちゃうよ…。』



胸が苦しい。
さすがプロのパンチ。



『あたしは大丈夫だから
誰か来る前に行ってください。』



あたしがそう言うと選手の人は
涙目で頭を下げると行ってしまった。




「稚菜ちゃん!」



無理やり立ち上がったあたしの
体をことりちゃんが支えてくれた。




『みんな円陣やろ?大将と安藤くんも。』




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