猟犬に愛された姫~ドリームライブ~
あたしは帰り道よく大将と来ていた
星がよく見える丘に来ていた。



お医者さんに言われたことを
あたしは星を見ながら思い出していた。



「手術をすれば助かりますが
声が出なくなります。」




声が出なくなる……。
それはもう歌えるということだった。


そしてあたしは来月の春まで
あとたったの半年すらもたないかもしれない。
あたしは自分の命より歌をとった。




「稚菜か?」



あたしがその声に振り向くと
そこには大将が立っていた。




『どうして……。』




「たまに考えことしたくなるとここにくるんだよ。」




大将はそう言うとあたしの隣に座った。




「付き合ってたよく一緒に来たよな?」




『大将が1番好きな場所って教えてくれたんだよね。』





あたしがそう言うと大将は自分が着ていた
パーカーをあたしに着せた。
大将の香りがふわっとしてあたしは
涙がでそうになった。





「こうやってよく俺のパーカー着せてやったよな?」




『その優しさがいつも嬉しかった。』




あたしはやっぱり大将が好き。
多分昔よりもずっと……。





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