この夏が終わっても
「……これ、里奈が書いたの?」
清香ちゃんはそう言うと、楽譜を手に取って暫く眺めていた。
そして、あとのメンバー二人の子達と顔を見合わせて頷くと…。私に楽譜を差し出す。
「とりあえず、一回キーボードで弾いてみてよ。まずは、それからだね!」
顔を上げた私に、清香ちゃん達が微笑んでくれた。
私は楽譜を受け取って、「はいっ!」と元気よく返事をすると、キーボードを用意して楽譜を見つめた。
……。
そして、楽譜は机に置くとキーボードの前に立つ。
大丈夫、もう譜面は頭の中に入ってる。
だって、この曲は私が作った私の心の叫びだもん。
楽譜なしで演奏を始める私を見て、清香ちゃん達が驚く中。
私は自分でもビックリするくらいに緊張せず、心を込めて弾くことが出来た。
……
………。