聖夜の奇跡
保育園に迎えに行って、ちらちらと雪の降るなか子供と一緒に予約していたケーキを取りに行く。


家に帰って、朝から仕込んでおいたシチューをあっためて。
息子の好きな唐揚げも。


息子が手伝いながら、近頃日課のセリフを言った。



「良い子にしてたから、サンタ来る?」


「あー…良い子じゃなくても来るみたいだけどね」



サンタはどうも、良い子にしてなくても来るところには来るらしい。


シチューをお玉でかき回しながら、少し大人気ない本音が出た。
窓の外を見れば、外灯に照らされて白く浮かぶ雪がまだ降り続いていて。


ホワイトクリスマスまで演出されるとは、本当に出来すぎだ。


まぁでも。
来週にはやっと、ふぐのお礼とリバースのお詫びが言えそうだ。


シチューをよそったお皿をテーブルに並べて、気の早い息子がケーキの箱を隙間から覗き込むのを、笑いながら窘めた。


end

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