恋におちて
「だが、あなたを見てそんな考えは吹き
飛んだ。」
想像すらしていなかった思いも選らない
俺の言葉に彼女が目を見開き、
そらされていた視線が絡む。
「ラウンジで微笑むあなたを見て
俺はこの人と結婚するんだと思った。」
「えっ!?」
「話をして、あなたを知ってその想いは
確信に変わった。」
そう。”したい“から”する“に。
「ちょっ…待って………」
薄く頬を染めながら首を振る彼女の
言いたいことがわかって先回りする。
「今日はこのまま帰ります。
きちんとけじめをつけてきます。
だから、待っていて欲しい。」
「それは……」
眉をさげ、悲しそうな顔をするのは
首筋の痕から見える女のことを思ってなのか…
愛しい人にこんな顔をさせてる自分に腹がたつ。
「頼む。もう一度だけチャンスをくれないか。」
このまま別れたら彼女は二度と会って
くれないだろう。
たとえ押し掛けたとしても、もう男としては
見てくれないだろう。
拒絶の言葉を口にしない彼女に少しだけ
自惚れてもいいだろうか…
迷っているようなしぐさの彼女に
今の精一杯の気持ちを言葉にした。
再びその手をとれるように。
「もう一度改めて会ってもらいたい。」