恋におちて
「今度の休みはいつだ?」
「は?」
“いい加減、顔を見せに帰って来なさい”
キレ気味な母親からのメールに
数ヵ月振りに実家に帰ってきてみれば
“久しぶり”でもなければ
“おかえり”でもない。
顔を合わせるなり開口一番父親からの言葉に
眉間に皺がよった。
「いきなり何だよ。」
「次の休みはいつだ?」
仕事終わりの疲れた体をソファーに
沈めて、再度同じ事を言う目の前の
しつこい親父に視線を向ける。
「…土曜だけど何で?」
真剣な親父の表情に若干イヤな予感が
したが、正直に答えたら、
予感が的中した。
「見合いしろ。」
「………はっ?」
空耳かと聞き返したが返ってきた言葉は
「結婚しろ。」
に変わっていた。
……………めんどくせぇ
「いきなり何だよ…まだ結婚なんて
騒ぐ年じゃないだろ。」
8月で26になったばがりなのに
なんでいきなり結婚話が出てくんだよ…
仕事で疲れた体が余計だるくなる。
「お前より二つ年上だが
とても可愛らしいお嬢さんだ。」
人の話を聞いてんのか?
お前にはもったいないだとか、
お前には年上でしっかりした人がいい。
など、俺の質問には答える気がないらしく
どうでもいい事をベラベラ喋ってる。