きっかけは






1つ、つい目で追ってしまう




わかってるよ、高梨

もう、気づいてしまった

俺の知らない可憐がいると知った時
腹が立った


部長なら知ってるかもと思った時
嫉妬した




好きだから、居てないのに知りたくて話題に出してしまう
好きだから、一人でいてても思い出して想像だってしてしまう
好きだから、俺以外の誰かと話をしてるとイラついて邪魔なんだ
好きだから、小さな変化にも気付くんだ


好きだから、見ていたい
1つ1つの動作を目で追ってしまう





「お前が他のヤツのもんになるのは我慢できない」

「え?」

「部長と結婚、すんの?」

「え?」



俺はさっき一瞬見えたネックレスへと手を伸ばした
部長からもらったと思われるネックレス

悔しいけど、可憐によく似合ってる


「なんで、こんなの付けてくんの?」

「あ、彰?」

「こいつのせいで………」



俺は気付くつもりが無かった感情に気付かされた


自分の口から初めて部長の名前を出した時
言い様のない感情が沸き出た


そして……


可憐への想いに気付いた




可憐はネックレスに触れている俺の手にそっと触れた
細く柔らかなそれに胸が高鳴る


中学生かっての
でも、恋愛初心者の俺は中学生以下だ


好きって自覚するまでに三年もかかって
自覚してからも、ドキドキしてどうすれば良いかもわかってない














< 38 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop